ワークライフバランス復職支援セミナー「ワタシの“ちょうどいい”が見つかる理想の家計簿づくり」を開催しました

 10月24日(水)第2回目となる太田市女性活躍推進連続講座が開催されました。今回のテーマは「ワタシの“ちょうどいい”が見つかる理想の家計簿づくり」。小学1年生のお母さんであり、お金のプロフェッショナルでもある(株)Money & You取締役の高山一恵さんがお話をしてくださいました。

 CFP®・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・DCプランナー1級の資格をもち、数々の著作を出版するなどお金の専門家として活躍する高山さんですが、意外にも独身時代は節約や貯蓄とは無縁の生活を送っていたそう。

あまりにお金遣いの荒い高山さんを心配した親友から、お金の勉強をするように勧められたことがきっかけで、FPの道を歩み始めました。


「今、日本で何が起こっているか」を知ることが大事

 政策や経済など、日々を忙しなく過ごしているママ世代には遠い世界のことのように思えますが、今この国で何が起きているかを知ることが、マネープランの第1歩だと高山さんは言います。


「昔の常識は今の非常識というように、高度経済成長期の日本と現在の日本では経済、社会状況がまるで違っています。現在は、国や企業に余力がなくなり、個人の生活を守ってはくれません。経済を知ることで、人口も金利も右肩下がりの日本だけでなく世界にも目を向けることができ、お金を増やすチャンスがみつかります」


高山さんは続けます。


「これからの時代を生き抜くには、ある程度のお金の知識と情報、それから人生のライフプランを考慮したオリジナルマネープランが必要です」


「教育費」「マイホーム」「老後費用」の3つは、家計の3大資金と言われています。なかでも教育費用は別名「家計のブラックホール」。子どもの才能を伸ばすためなら……と、次々と資金を投入してしまいがちなことからそう呼ばれているのだとか。

また、日本人女性の平均寿命は、あと数年のうちになんと90.13歳になると予想されているそう! 長い老後に備えて、お金の知識は必須といえます。

自分や家族の年齢やライフプランを表に書き出して見える化することで、人生を俯瞰で捉え、いつどんなことに大きなお金が必要なのかを把握することが、理想の家計簿づくりの大きな枠組みになるのです。



貯蓄のコツ・節約のコツ

 ファイナンシャルプランナーとして、これまで数千人の家計を見てきたという高山さん。貯蓄ができる人に共通する習慣や考え方があるそうです。

「貯蓄ができる人は、総じて支出を把握しています。自分が何にどれだけお金を使っているのかを知ることは、マネープランの基本。今はレシートをスマホのカメラで写すだけで、家計簿の費目に振り分けて管理してくれる便利な家計簿アプリもありますから、うまく利用して自分の支出のクセを知ることから始めましょう」


ちょっとコーヒーを買ったり、ちょっとお菓子を買ったり、そういったいわゆる「ちょこちょこ買い」も家計簿につけると結構かさんでいるもの。コーヒー代もお菓子代も1回に使う金額が小さいので、つい使いがちになってしまうのだとか。3カ月くらいで支出の傾向が見えてくるそうですよ。

ほかにも、貯蓄ができる人は先取り貯金をしていたりコストパフォーマンスを重視していたり、と頷くことばかり。

わかっていながらもなかなかできないのは、収入に対してどのくらい貯蓄すればいいのか、どのくらい使えるのかがわからないためです。

支出費目ごとに予算を決めることで、無理なく貯めることができるようになります。前述の家計簿アプリのなかで、この予算を決めてくれるものもあるのだとか。

いちいち計算しなくていいなら、実行できそうです!

 それから目から鱗だったのは、貯蓄ができる人は「自分の軸や価値観をもっているので、無駄遣いが少ない」ということ。人や世間に流されて、本当に必要なモノ・コト以外にお金を使ってしまうことって、少なくありません。ブレない芯をもつことで無駄を減らせるなんて、すてきですよね。

 一方節約のコツは、無理せず行うこと。ダイエットと同じで、我慢して節約するとリバウンドしてしまうそう。ポイントは、固定費(住居費や光熱費など)を見直すことです。

ライフステージごとの保険の見直し、電気代やガス代などの契約先の見直し、携帯を格安スマホに替える……など、ちょっと面倒くさいけれど、一度、固定費を削減することで、何かを我慢しなくても固定費の削減分がこれからずっと節約できます。



今後の働き方を考える

 統計調査によると、30歳から専業主婦になった場合の生涯賃金は約3千万円、定年までずっと正社員だと約1億5千万円。働き方の違いで生涯年収の差は1億円以上にもなるそうです。年金は収入によって変わりますから、正社員で働き続けたほうが老後のためにはいいことはわかっています。

でも、結婚・妊娠・出産・育児に加え、夫の転勤や年老いた親の介護……と、とりまく環境が変わりやすい女性にとって、正社員で働き続けることは容易ではありません。


高山さんは言います。


「これからは、AIが台頭してくる時代。約半分の仕事がロボットやAIに代替可能といわれますから、人間でなくてはできないスキルを身に着けることがたいせつです。得た知識を組み合わせて活用したり、クリエイティブ能力が必要だったり、それからコミュニケーション能力が必要な仕事は人間でなくてはできません」


コミュニケーション能力は、一般的に男性よりも女性の方が高いと言われています。これまでも、女性のコミュニケーション能力を活かして商品売り上げを何倍にも伸ばした例がたくさんあるそう。

女性だからこそ、また多くのシチュエーションでさまざまな人との交流が必要になるママという立場だからこそ、必要とされる仕事がこれからはもっと増えてくるのかもしれません。

 

 それから、ちょっと上級編として「お金にも働いてもらう」。

つまりiDeCo(個人型確定拠出年金)つみたてNISA、株式投資や外貨投資、不動産投資などを利用した資産運用も無理せずに行うと、貯蓄を増やす助けになるということでした。


「長生き時代を豊かに生きるためのポイントは、4つあります。まずは、現状を把握してライフプランを立てること。次に家計管理をしてお金を貯める習慣を身に着けること。効果的で持続的な節約を行うこと。それから、自分が働くことに加えてお金自身にも働いてもらうことです。将来のためにやろうと思ったことは、いつかではなく“いま”行動に移しましょう」


と、高山さんは激励の言葉で締めてくれました。

「お金は人生を映し出す鏡」と言われているそう。自分の生き方がお金に現れていると思うと、しっかり管理しなければと襟を正す思いでした。



ライター:ento(株)銀鏡あゆみ

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